認知症予防の世界標準「5本指」

 10月のコラムで、「認知症はなりたくない病気NO.1」というお話をしました。

その続きをお話ししていきます。

 

 

 厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している

人は2012年時点で約462万人。2025年には730万人に増加し、65歳以上の

5人に1人が認知症を発症すると推計されています。認知症は誰もがなる可能性が

あるものだということがよくわかりますね。

 

 さて、認知症については既に数多くの研究がされていて、運動、食事、飲酒、

喫煙、血圧、体重など生活習慣に関連する12個の要因をコントロールすることで

認知症のリスクを40%減らすことができると考えられています。ところが、

これらの要因に個別にアプローチをしても良い結果が得られないことも明らかに

なったのです。

 

 

 その後、2009年から2011年にかけて北欧で行われた研究では、

食事指導、運動指導、認知トレーニング、生活スタイル指導の

4つの介入を同時に行うことで、認知症発症のリスクを減らせる

ことを世界で初めて証明(FINGER研究)。

日本でも、国立長寿医療研究センターが代表機関となり研究を

実施し、日本人においても多因子介入による認知機能低下の抑制

効果があることが確認されました(J-MINT研究)。

 

 

 現在、認知症予防は複数の要因についてアプローチする方法が

有効とされており、認知症予防のために必要なライフスタイルを

FINGER研究になぞれえて「FIVE FINGER」と表現。世界標準では

左図の5項目が定義されています。

 

 

 次回は各項目について、さらに詳しくお伝えします。