[インタビュー]2018年11月21日(水)
テクノエイトでカナンウォークの窓口をご担当してくださっているのが、安全健康環境部の浅井室長と、
保健師であられる石野様のお二人です。
セミナー最終回を目前にした2018年11月、従業員のお二人と、安全健康環境部の浅井室長と石野保健師
の4名へ、カナンウォーク代表の伊藤が、「ランチタイム・ウォーキング®」「からだのこと」「食事のこ
と」などをテーマに、お話を伺いました。
====お話を伺った方====
・浅井恵司 様 /安全健康環境部主査 兼 施設環境室 室長
・石野佳保里 様 /安全健康環境部 安全健康推進室 保健師
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― “製造業”ならではの食べっぷり。充実の社員食堂
カナンウォーク代表 伊藤(以下、カナン):テクノエイトさんで、ランチタイム・ウォーキングを導入する
以前は、
何か従業員さんの健康面について、課題とされていることはありましたか?
石野佳保里 様(以下、石野さん):うちはもともと、BMIが高い人が多かったり、高血圧の人の割合も高
かったりなんです。生活習慣病の予防改善とか、そのあたりのところに取り組んでいきたいなというところは
ありました。
浅井恵司 様(以下、浅井さん):その通りです。メインはそれですね。
カナン:BMIが高い方(BMI25以上)は全体の何パーセントくらい、というのは出ていますか?
石野さん:だんだん良くなってきてはいるんですが、それでも20%超えてますね。
カナン:全社員さんの20%ですか?
石野さん:そうです。
カナン:年代的にはどうですか?やっぱり中年以降の従業員さんが多いですか?
石野さん:BMIが高いのは、40代ですね。40代については全体の30%くらい。でも30代・50代も
20%くらいいるかな。29歳以下でも15%前後はいますし。
カナン:15%ですか!? みなさん食事量が多いんでしょうか?
石野さん:製造業ですからね、みんなすごい食べる量多いです。動く量も多いけど。
浅井さん:どんだけでも食べれちゃう仕組みになってるもんね。食堂が。好きなもん取れるスタイルね。金額
は違うんだけど、安いもん。どんだけ取ってもね。
石野さん:安いですもんね。
浅井さん:安い安い。ラーメン・カレーライス・定食ってね、お盆に乗らなくて、2つお盆持ってるやつもいる。
カナン:そうですか。そういう方は、やっぱり身体は大きいですか?
浅井さん:うん。
石野さん:麵を2つ食べる人もいる。そば2つとか。
カナン:ラーメンとカレーライスっていうのも平気で、好きなように食べれちゃう感じなんですね。
石野さん:食べちゃう。仕組みとしては。
― 消費カロリーが少ないと、やはり肥満傾向に
浅井さん:カロリーは清算の時に出るんだけどね。お皿1つずつにカロリーのチップがついていて、お盆全体で
総カロリーが出るようになってて、それを見ながら清算するんですけどね。成人男性は何キロカロリー、女性は
何キロカロリーって書いてるんだけど、それ見ても「おぉ」、「あぁ~」って言って、以上。くらいかな。
カナン:気にしていないんでしょうね。きっと。
BMIが下がるとっていうのは、分かりやすいかもしれないですね。他の製造業さんでもBMIが高いのを下げ
たいというのは、結構お話聞きます。
浅井さん:管理間接部門が多いんじゃないの?これ。現場の子は(BMIが高い対象者の中に)あんまりおらんでしょ。
石野さん:現場の人は、食べても食べてもガリガリなんですよ。現場の人はすごく食べるけど、消費されるからか
みんな細いですね。体力勝負で活動量が半端ないから。すごい食べるでんすよ、みんな。でも消費されるからかみ
んな細いですよね。
カナン:BMIが高いのは現場の人ではないと。管理間接というのは事務部門になるんでしょうか?設計とかも?
浅井さん:事技。あとは、営業とか経理とか。
カナン:どちらかというと現場の方よりも、そちらの部門の方のほうがBMI高い方が多いんですね。
― 普段参加しない人でも、手軽に参加できると思った
カナン:ランチタイム・ウォーキングの導入を決めたのは、どのようなお考えからでしょうか?
浅井さん:これはずばり今の質問とイコールなんだけど、その事技部門のBMIを下げるために、手軽に参加できるように、と思って。
石野さん:きっかけづくりですね。
浅井さん:そうそう。
石野さん:手軽にできるかな、っていうのがありましたね。ウォーキングだったら。
浅井さん:以前はボクササイズだったけど、あれはハードすぎるという話があったんですよ。姿勢とかウォーキングだったら女性でもおじさんでも手軽にできるからいいなと。
石野さん:そうそう、ちょっとハードルが下がって。
浅井さん:うん。だけど思ったより参加者があんまり参加せんから…まぁ~いかんなぁって。やる気の問題だね。
伊藤さん:ボクササイズと比べて、参加率はどうですか?
浅井さん:一緒。メンバーも一緒だし。興味のある人間じゃないと、参加せんのかなぁと思って。
カナン:どういう風に声掛けしていくか?フックになる言葉がもうちょっと出せるといいかもしれないですね。
浅井さん:もともと現場をターゲットにしてないもんでさ。事技部門に何べんも声掛けして。
カナン:例えば事技部門の人であれば…営業の方だと見た目とか営業に関係すると思うのですが、そういうところ
と関連づけると変わるかもしれませんね。
浅井さん:そうだね、姿勢とかね。
カナン:見た目とその印象で、例えば取引先さんからの見られ方って違いますよね。例えば、信頼される見た目とか
印象って、あるんです。そういうことに影響するというアプローチの言葉の方が、参加率が増えるかもしれないです。
あと女性だったら、よく「パンプスなどで足が痛い」というのを聞いたり、「腰痛」や「女性ならではの不調」とか、
そういうのに関連づけると、もしかしたらいつもとは違う方が参加されるかもしれませんね。
浅井さん:あ~、なるほど。そうだね。
― ランチタイム・ウォーキング導入で感じた社内の変化
カナン:数多く健康経営のサービスがあると思いますが、その中でカナンウォークのサービスを選ばれたのはなぜ
でしょうか?
浅井さん:やっぱり、手軽できっかけになるかなというところですね。それと、メッセナゴヤに行ったときにカナン
ウォークさんしかなかったもんでさ。もういかんなぁって、それをターゲットにいったんだよ。で「ダメだったな」
って帰ろっかなと思った出口にカナンウォークサンがブース出してたんだわ。
石野さん:予算的なのもありましたね。
浅井さん:そうだね。お安くやっていただいたのでよかった。
石野さん:実現可能な金額だったから。
浅井さん:うん、無理を聞いてくれたでね。
カナン:こちらもいろいろ改善点を見つけることができましたので、また工夫をしていきたいと思っています。
ランチタイム・ウォーキング導入前後で、参加された方を見ていたりお話聞いたりする中で、変化や効果を感じられ
たことは何かありますか?
浅井さん:みんながね、言うことが「姿勢を気にするようになった」って。タバコ吸いながらでも気付くって。
すごく姿勢よく吸ってるって。タバコ吸うのはあんまりいいことじゃないけど、頭のどっかに残ってるってことがい
いことだなと思って。
カナン:多分そういう方は、たばこを吸っているときだけじゃなくて他の時も思い出してくださっているので、そう
いうことで意識が社内で浸透していくというのは良かったかもしれないですね。
― 歩くのって“楽しい”。その効果は本当にある
浅井さん:あと歩くことがやっぱり楽しくなったっていう話も聞くし。歩く回数も増えたということはみんな言ってるね。僕もそうなんですけど。出張に行ってもだいたい歩いてますよ。タクシー乗らずに。
カナン:すごいです!今までは歩かないことが多かった?
浅井さん:歩かない。タクシー乗っちゃって会社に請求してたけど。先週の金曜日なんか1時間ほど歩いて会社の工場まで行った。嵯峨嵐山っていう駅で降りてね、〇〇っていう会社があって、タクシーで来てくださいっていう案内があったんだけど、遠いもんで。だけど、嵐山観光しながら歩こうと思って橋を渡ってね、あの近くにあるんだわ。川をずーっと歩いて汗だくになって。とか、歩くのが楽しくなったというのは。
カナン:ちなみに体重とかウエストとか。
浅井さん:3キロ痩せました。ウエストは測ってないもんでわからない。
カナン:ズボンのベルトとかどうですか?
浅井さん:ぼくね、自由自在のやつなんだわ。
カナン:穴タイプじゃないんですね(笑)3キロ減ったのは歩き始めてからですか?
浅井さん:そうそう、この3か月ですね。
カナン:素晴らしいです。ありがとうございます。
― 参加した社員さんから「次の開催っていつ?」と聞かれました
カナン:石野さんは、どうですか?参加された社員さんたちを見ていて、何か変化を感じられたり。
石野さん:そうですね。みんなやっぱり意識されている感じはしますね。あとは、一番最初のセミナーがすごく良かったっていうのはよく聞きます。すごい好評ですね。
浅井さん:Yさんって知ってますか?
石野さん:今日は来ないんですけど、毎回参加されている方です。
浅井さん:彼がすごくよかったって。「今月のランチタイム・ウォーキング、いつだっけ?」って聞いてきてね。
カナン:そうですか~。嬉しいです、ありがとうございます!
石野さん:来月は必ずいきますって、今月はどうしてもいけないからって言って。
カナン:ありがとうございます。社員さんからも嬉しいお言葉を頂戴して大変ありがたいです。
お二人は、安全健康環境部として今回カナンウォークの「ランチタイム・ウォーキング」を導入してくださいま
したが、ご担当者様としてのご感想をお聞かせください。
浅井さん:よかったですね。頻度も適正だったし、時間帯もある程度選べるというんですかね、無理を聞いてもら
えるというところが良かったですね。うちに合わせて内容を相談できる。
石野さん:あと毎回プログラムのテーマが違うじゃないですか。それがいいなと思って。
みんな6回コースですって言ったら、6回全部出ないといかんのかなって思うと、なかなか出れないけど、1回
完結型なので、それがよかったかなって。
1回目参加して、2回目はお休みしても、3回目また違うことだから普通に出られるじゃないですか。そういうの
がみんな気軽に参加できるって言ってて。それが6回通しの連続で、一連の流れでダーッと行くと困っちゃうけど
…っていうのは言っていました。1回完結型だからよかったということを聞きました。
カナン:1回休んでも、また次参加しようかな~っとなれるということですね。
浅井さん:それでもまだ、勘違いしとった子もおった。最初から行ってないから、もう行けないって。
カナン:案内の仕方も、工夫次第で参加者を増やすことはできるかもしれないですね。
― あくまでも強制参加ではなく、社員さんのために実施するスタイルで
カナン:今後テクノエイトさんでは、社員のみなさまの健康づくりについて、どのようなことに取り組みたいと
お考えでいらっしゃいますか?
浅井さん:来季考えているのは、例えば「ボクササイズ」って決めるんじゃなくて、いろんなメニューをね、用意
して選べるようにしたらいいかなって。例えばホットヨガとか、棒とかボールもってとか、歩き方とか…。社員が
自分で選んでいろんな組み合わせができるようなもので、もうちょっと誘発していきたいなと思っています。
カナン:時間帯は夕方とか、夕方よりも就業時間内のほうが、社員さんは参加しやすいとか、そのあたりはいかが
でしょうか?
浅井さん:安全健康展示会の時なんかは、時間内にやっていて、時間内だとやっぱり社員は来てくれるんですよ。
それが仕事終わってから参加ってなると、なかなか来なくなっちゃうんでしょうね。そこらへんは迷いどころだね。
石野さん:本当に“健康経営”と考えたらトヨテツみたいに時間内にできるのが理想ですけど、現場はとてもじゃない
けど、工数割いてそういう健康づくりの何かに出るというのは現実的ではないんですよね、まだまだ。
うちはここに予算をつけてもらえているだけでも、いいのかもしれないと思うくらい。
浅井さん:全然なかったもん。一昨年までは。さっき言ったように肥満基準の社員を選抜して「あなたは肥満基準
だし、身体も悪いし、見た目も悪い。だから強制参加だ。時間内の参加でいいぞ。」っていうなら、そういう導入
でもいいかもしれないけど、そこを目指してないもんね、僕らは。
福利厚生の一環でもあり、健康増進でもあるっていう感じでやってるやつだもんで。
石野さん:福利厚生の匂いが強いかもしれないですね。
浅井さん:だから、いろんなバリエーション豊かな、全く違ったようなことも組み合わせながら考えていかなきゃ
いかんなと。
カナン:それがきっかけになって、「こういうのがあるんだったら他でもやってみよっかな」という方が出てくる
かもしれないですもんね。
― 健康推進の担当者だからこそ、思うこと、考えること
浅井さん:今期はアンケート取りながら、「何がやりたいんだ?」って社員さんの意見を聞いていったんだよね。
そしたら「エライ(しんどい)から嫌だ」とかね、いろいろ言う割には「あれ、来とらへんがや」って言うのも
あって、それじゃあと思って、時間帯変えてみても来とらへんし。だからもうちょっと工夫せないかんなあー、と
は思ってるんだわね。
カナン:例えばさっきのお話で、今回6回という感じでやりましたけど、営業の方向けであれば、実際の営業にも
役立つような形で案内自体を作って、1回の単発でやるとか。あとは女性向けにやるとか。そういう形で案内の
仕方を工夫していくと、また参加状況だったりそういうものも違うかもしれないですね。
他社でも、健康推進の業務をされているご担当者様のお悩みだったりお考えを色々お伺いしているのですが、
浅井さん、石井さんはいかがですか。
石野さん:やっぱり、意識の高い人は来るけど、というところですね。本当にやらなければいけない人にどうやって
アプローチしていくか?そういう人たちの行動変容をどうやって促せるか?というところだと思う。
浅井さん:自然にね。肥満体選抜型でなくてさ。今参加している人の中で肥満体の人もいるけど、すごく楽しいと
言ってくれる人もいるもんね。
カナン:楽しく感じるのはもともと運動の習慣がある人ですかね。促したいのはない人たちですよね。若いころから。
石野さん:杉本さんがおっしゃっていた『汗かいて気持ちいい』っていう感覚ってすごくわかるなって思うけど、
運動嫌いな人は逆にストレスになっちゃいますよね笑。
浅井さん:う…ん、それで強制的に選抜したら傷ついてメンタルになっちゃったらかわいそうだもんね。
石野さん:いやだ。
浅井さん:無理やりの強制にはやりたくない、と思う。
カナン:特定保健指導の対象者を抽出してやる、というやり方はされていないということですね。
浅井さん:はい、するつもりはなくて。しろとは言われるんだけど、聞かないね、そこだけは。
そうじゃなくて楽しく参加してくれる人、身体を動かして痩せてくれると一番いいよね。
カナン:そこにどうやってアプローチするかですよね。まず1回でも参加してもらっていう、その1回が社内で
あってもなかなか参加されないんですもんね。どうやったらひっかかるか?その人たちに引っ掛かる言葉は何かなと。
浅井さん:お金かけると痩せるんだよ。
カナン:でもご本人たちは当然、お金かけたくないですよね。
浅井さん:〇〇は無理やり参加させてやったの。体重測って6人でやるぞって。意識改革で。ドベ3人がトップ3人
に焼き肉をおごるって。そういうのをいろんな部署でやっている。
カナン:1人で参加するのではなくて、チームとかグループで参加して、みんなで一緒にやる、というのはとても
効果的だと思います。
― まずは体感してみる、切り口を色々相談できるのもいい
カナン:健康経営をこれから導入する企業様や、現在も健康経営のご担当をされている方へ、何かメッセージは
ありますか?
浅井さん:ランチタイム・ウォーキングはね、まずはやってみてください。やらなきゃわからない。
カナン:なぜそう思われましたか?
浅井さん:やっぱり体感できるから。身近に体感できるからね、効果が。それがいいんじゃないかな。
カナン:浅井さんは、ご自身も実際に効果を体感されたということですもんね。
浅井さん:僕は体重もそうだし、歩くのが好きになった。嫌いじゃなくなった。
意識することによって。そんな風に思わなかったもんで、そこが良かったなと思う。
カナン:まずは体感してみると。そこが大事ですね、ありがとうございます。石野さんはいかがですか?
石野さん:カナンウォークさんは、いろいろプログラムがその時その時で違うのをやってもらえるから、それが
本当に集まりやすいと思う。そういうことを個別に相談に乗っていただけるし、柔軟に対応していただけるのは
すごいよかったと思います。
浅井さん:うん。そうだね。
石井さん:あと、決まったコレというものだけでなくて、カナンさんはいろんな切り口があるじゃないですか。
例えば営業の人だったら「見た目」とか「印象」とか。そういうのを変化させるだけで、会社のイメージみたい
なのがアップしてとか、生産性が上がりますよ、というのは、ほかだとあんまりないのかなって。いろんな切り
口があるので、私たち担当が考える対象者に合わせて、切り口を色々話して、提案してもらったり相談したりで
きるのがいいと思う。
浅井さん:僕らは6回のメニューで、あまり時間が取れんかったからいかんけど…。
時間が取れる企業さんだったら、回数もそうだし、1回あたりの時間を長くしてやれるといいと思う。
僕ら時間がなさすぎたというところは反省しないかんなと思います。時間を取るべきだ、企業は。
カナン:ありがとうございます!