[インタビュー]2018年11月21日(水)
現在、テクノエイト様は、カナンウォークのランチタイム・ウォーキング®を導入してくださっています。
ランチタイム・ウォーキング®とは、お昼休みを有効活用する定期的な出張レッスンで、従業員のみなさまが会社にいる間に姿勢と歩き方の改善から手軽に健康づくりができる機会として、2013年より(当初は個人事業のMy Styleとして)展開しているサービスです。原則お昼休みの開催ですが、お客様のご要望に合わせ、終業後に実施させていただくこともあります。
2018年7月からスタートした、テクノエイト様のランチタイム・ウォーキングは、「夕方の出張レッスン」ということで、月に1回、従業員さんが「歩き方姿勢とエクササイズのレッスン」を受講しています。
初回は座学でのセミナー、2回目からは実際に身体を動かしての実践セミナーで、初回を合わせて合計6回の予定です。(ただし、10月はウォーキングイベントに合わせてお昼休みの開催となったため、1回は通常とは異なる開催メニュー)
セミナー最終回を目前にした2018年11月、従業員のお二人と、安全健康環境部の浅井室長と石野保健師の4名へ、カナンウォーク代表の伊藤が、「ランチタイム・ウォーキング®」「からだのこと」「食事のこと」などをテーマに、お話を伺いました。
====お話を伺った方====
・伊藤勝明 様 (60) /品質保証部品質保証室
・杉本貴全(よしまさ) 様(55) /総合企画部副部長
・浅井恵司 様 /安全健康環境部主査 兼 施設環境室 室長
・石野佳保里 様 /安全健康環境部 安全健康推進室 保健師
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― ヘルニア入院の経験が、健康意識のきっかけに
カナンウォーク代表 伊藤(以下、カナン):今回参加してくださったランチタイム・ウォーキングについて、参加してみてどんな感じだったか、健康に関してのご意見などを、お聞かせいただければと思います。
皆様は、これまで健康づくりについて、ご自身で意識したことや取り組んでいらっしゃったことは何かありますか?
伊藤勝明 様(以下、伊藤さん):私は現在、健康に注意して生活をしているのですが、そのきっかけがいくつかあるんです。まず、1998年に椎間板ヘルニアで1か月入院をしました。実はそのヘルニア入院の3~4年前に交通事故にあいまして。横断歩道を渡っているところを右折してきた車と接触して、そのボンネットに乗ったんですね。左の腰が当たって、そのときは特に外傷はなかったんですけれど、それがヘルニアの原因ではないかと言われたこともあります。
ヘルニア入院時はすごく痛みがあって、歩けないほどでした。松葉杖を使っていましたね。結局、1か月の入院で、
手術はしなかったけれど、ブロック注射を1週間に1本くらいずつ打っていました。そういうこともあってずっと
ベッドで横になっていたので体力も落ちてしまって、そこから特に健康には留意するようになりました。
カナン:98年ということは丁度20年前ですか。そこから意識をされているということですね。
伊藤さん:そうですね。あとは仕事で結構無理をしていた。
カナン:具体的には、どんなことに気を付けていらっしゃいましたか?
伊藤さん:まず体力が落ちたということで、コルセットはずっとつけていましたね。後は歩くようにしていたかな。
カナン:それは今でも、例えば日ごろからよく歩くようにしているとか、コルセット着用はずっと続けていらっしゃ
るのでしょうか?
伊藤さん:コルセットは1〜2年だったと思います。でもやはり筋力が落ちている実感はあった。そこからずっと
生活をしていて、あとは最近ですと、私より家内の方が健康にうるさくて、eテレの『今日の健康』とか民放のいろ
いろな番組を見て気になったところを録画してくれて、それを見たり実践したりしてきました。
カナン:では、普段から割と奥様の情報もあって、以前から健康については意識して色々されていたということですね。
ありがとうございます。 杉本さんはいかがですか?
― 継続的な運動習慣があると、運動不足に気付きやすい
杉本貴全 様(以下、杉本さん):私は今トヨテツ(注:豊田鉄工株式会社)から出向でテクノエイトに来ていまして、
トヨテツにいるときは、電車通勤で、最寄の駅から1km弱を毎日歩いていました。
カナン:1km弱ですと、15分くらいですね。
杉本さん:そうですね。今は電車通勤じゃないのでできなくなっちゃったんですけども、今でも土曜日か日曜日の
どちらかは1時間くらい、住まいが蒲郡なので竹島まで歩いています。
カナン:竹島って橋を渡ったところにありますよね。プリンスホテルの近くの。
杉本さん:そうです。そこまで1kmくらいのところに家があるので、そんなに遠くないので歩いていますね。
あともう一つ、学生時代に空手をやっていたので、今は子どもに習わせていて、自分も体力維持程度にやっています。
カナン:ご自身も子どもさんと一緒の時間帯に、通って習っていらっしゃるのですか?
杉本さん:はい。
カナン:そうなのですね。空手って結構柔軟性が必要だと思うのですが、そういうのも学生時代と同じように、今も
できるものなのですか?
杉本さん:同年代の人に比べると、柔らかいほうだと思います。
カナン:そうなのですね。今やっていらっしゃる、竹島まで往復30分ウォーキングと、空手。これはどれくらいの
期間続けていらっしゃるのですか?
杉本さん:竹島のほうは、日本に帰って来てからなのでもう3~4年。空手も同じくらいです。
カナン:ありがとうございます。お二人とも健康についての意識や、継続のご経験はそれぞれお持ちだということですね。
伊藤さん:そういえば私、子供が2人、男の子がいまして、少年野球チームに所属しているのですが、4年間くらい
毎週土日、朝8時から夕方5時まで一緒にやっていましたね。
杉本さん:え、一緒に?!見に行ってるだけじゃなくて?
伊藤さん:コーチをやらせてもらっていたので。
カナン:それはいいですね。大変ですけども。
伊藤さん:大変なんですよ。試合があるときは見ているだけなんですけど、試合でないときは練習を。
カナン:ご自身のお子さんだけじゃなくて、チームの子もみんな見なければいけないですもんね。それはもう運動量
もすごいですよね。午前、午後だけじゃなくって、ほぼ1日、土日は・・・。
伊藤さん:はい。
カナン:なるほど。お二人とも継続的な運動習慣があるので、運動しなくなると「どうかな?」という意識があるん
じゃないかなと思います。
― 肩がすごく重かったのがスッキリ! 汗をかくのも早くなる!
カナン:普段から運動習慣があるお二人ですが、今回このランチタイム・ウォーキングに参加されたのは、どんな理
由からでしょうか?
伊藤さん:やはり自分自身の健康を意識しているというのがあって、会社でそういった機会があったら参加したいな
と思って参加しました。
杉本さん:健康のことについて、会社でやっていただいたときには、極力参加しようと思っているので参加しました。
ただ、ちょっと思ってたのと違ったなという部分があって。前に会社で「ボクササイズ」をやるというのがあって参加
させてもらったんだけど、正直それよりはやや緩やかなんだけども、もう少し運動量があるのかなと思っていました。
カナン:イメージされていた運動量と実際にギャップがあった、ということですね。ありがとうございます。そういう
ことも聞かせていただけるとすごくありがたいです。実際参加してみて、何か変化や効果を感じることはありましたか?
伊藤さん:わたしはランチタイム・ウォーキング、2回目と4回目の2回参加ですね。
杉本さん:わたしは1回お休みして他は参加しています。
カナン:伊藤さんは2回ご参加で、歩くということを体験していただいていますけれど、参加する前と後で違いがあっ
たり感じていらっしゃることはありますか?
伊藤さん:わたしは2回目の8月に初めて参加したのですが、ランチタイム・ウォーキングで、ウォーキングする前に「身体を動かしましょう」ということで、みんなで実践したんですよね。腕を回したり、首を回したり。
そしたら、その直後か次の日、それまで肩がすごく重たかったんですが、スッキリしたということがありました。
それと、歩き方は、前にも意識していましたけど、『身長が5cm高くなるイメージで背筋を伸ばす』というのは、ランチタイム・ウォーキングのレッスンを受けたことで、特に意識するようになりました。
カナン:ありがとうございます。杉本さんはいかがでしょうか?
杉本さん:土日どちらかで歩いているので、今回教えていただいたことをできるだけ意識しながらやっています。
カナン:歩き方が変わってみて、何か感じることってありますか?
杉本さん:汗をかくのが早くなりました。やっぱりそれだけ、特におなかに力をいれて歩くと早いし、その分疲れて、筋肉痛も起こる。無駄な力がはいってしまっているかもしれないけど。
― ふくらはぎの筋肉痛、“痛くて良い理由”とは!?
カナン:どこが筋肉痛になりますか?
杉本さん:腿の後ろの辺だとか、ふくらはぎだとか、その辺かなあ。
カナン:いいと思います。
杉本さん:えっ、いいんですか?
カナン:はい。
歩くときに後ろの脚でぐっと蹴るときというのは、腿の後ろやふくらはぎなど脚の後ろ側の筋肉が縮まないと蹴れない
んです。でも、多くの方は普段ぺたぺた歩くので、あまり後ろ側を使えないんですよ。だけど、杉本さんの場合はレッ
スンでお伝えした「後の脚で蹴る」ということができているのでちゃんと筋肉が縮んでいてるんです。普段使わない
ところを使うようになったから筋肉痛になっているんだと思います。
杉本さん:後ろに蹴っているから、筋肉が縮むと。
カナン:ふくらはぎも同じです。「ミルキングアクション」という、正しく歩くと起きる筋肉の動きがあるのですが、
これが起きているのでいいんです。「脚(足)は第二の心臓」と言われますよね。足の裏とふくらはぎ、両方そう言われ
ますけど、血液を送り出す一番最大のポンプの心臓はここ(胸)にしかないんです。それ以外にポンプはないので、『送
り返すポンプ』が循環のためには必要で、その心臓の代わりになるのが筋肉なんです。
特にふくらはぎの伸び縮みは、血液を戻すときのポンプになると言われているので、ふくらはぎが筋肉痛になっている
ということは、伸び縮みをちゃんとしていますよ、という合図なので、大丈夫です。良いですね。
杉本さん:大丈夫ですか。
カナン:はい、そのまま筋肉痛を維持してもらって大丈夫です。それが慣れてくると筋肉痛になりにくくなってきます。
― 3kg、6kg、8kg、みんなびっくり!痩せましたね
カナン:そういえば、前回のときに、山田さんたちと一緒にお昼歩いて3キロ痩せられたのは伊藤さんでしたっけ?
6キロマイナスは、山田さんでしたよね。
浅井恵司 様(以下、浅井さん):山田さんと僕です。
カナン:伊藤さんは、あのとき3キロ痩せたとか・・・?
伊藤さん:8キロ。
カナン:えっ、すごい!
浅井さん:伊藤さんはさ、奥さんがご飯を作ってくれなくなったから。
伊藤さん:違う違う、違う違う(笑)。
浅井さん:そうやっていっとったがやー。
伊藤さん:違いますってー(笑)。自分で食事制限して、お米を1年以上食べなかったんですよ。
カナン:笑笑笑。そのお話を聞いたのは、丁度ヘルスマ(健康保険組合が行っている健康イベント)が始まってお昼に
みなさんで歩かれるようになって、それで痩せました~とお話しされてたと思うんですが、その期間ではどれくらい痩
せましたか?
伊藤さん:どうかな?その8キロというのは1年半くらいかかってるんですよ。部署が変わって食事をたくさん食べる
ようになって、急に増えちゃって。それを落とすためにそういうことをやったんですけどね。
カナン:体重を減らすのって、なかなか運動だけでは難しくて…もちろんウォーキングだけでは減らないので、食事って
どうしても管理が必要になってくるんです。そういう意味で食事管理をされたというのは、体重を減らすという、もしく
は戻っちゃったというのも、食事が戻っちゃったからという。
伊藤さん:部署が変わって、ぐっと食事量も増えっちゃったんです。これは・・・話しちゃいましょうか。
家内がコンビニに勤めていて、コンビニで残ったものを持ち帰るんですよ。で、もったいないなと思って、私もめいっぱい食べてたんです。それを継続したらぐっと体重が増えてしまったと。
カナン:そうなんですね。なるほどなるほど。で、体重が戻ったと。
伊藤さん:そうですね。産業医の先生のコメントは、このままだと糖尿病になってしまうと言われたので、食事制限をして、ちょっと落としすぎてしまったというのがあります。標準よりちょっと痩せた感じ。
浅井さん:不仲になって、ごはんが少なくなったわけではない。
一同:笑笑笑
― 理論的に教えてもらうのが好きなタイプなら、特に楽しい
カナン:お二人ともこれまでに、月1回のランチタイム・ウォーキングを三回か四回参加してみて、どんなところ
がよかったかというのを教えていただけますでしょうか。
伊藤さん:やはり、歩き方と姿勢が良くなった感じがあるね。意識して歩くということと、後ろ脚を使って歩くと
速度が上がるし。
カナン:ありがとうございます。杉本さんはいかがですか?
杉本さん:特に歩き方について「こういう風に歩くと、この筋肉を使うから、ココにこんな感じで効くんですよ」
と理論的に教えていただけたので、わたしがそういうのが好きなので楽しく参加できました。
カナン:こういうものがあればもっと頑張れた、定期的に参加できたな、と思うことは何かありますか?
伊藤さん:準備運動のところを、手元用紙であったら、自分でもまたやれるかなと。その時覚えていても忘れてしま
うというのがあるので。肩こりが重かったのが急によくなったという実感があったので。
カナン:ありがとうございます。杉本さんは何かありますか?
杉本さん:特にないです。
カナン:ありがとうございます。
― 会社で何か活動があると、やっぱり意識は高まる
カナン:テクノエイトさんのように、社内で健康づくりの機会がない企業様も、まだまだ多くて。テクノエイトさん
のように機会を設けられること自体がまだまだ多くない中で、このような機会があるというのはどういう風にお考え
でしょうか?
伊藤さん:自分自身意識しているけれど、勤務している会社が何か活動があるということで、さらに意識が高まりま
したし、参加したいなと思いました。
カナン:ありがとうございます。杉本さんはいかがでしょうか?
杉本さん:こういうイベント的なものをやってもらうのはすごくいいし、楽しく思います。
ただ、会社のトレーニング室が、結構筋肉を鍛える無酸素運動の機械に偏りすぎているなあと思うこともあって、自転車漕ぎとかルームランナーみたいなのをもっと増やしてもらうと、昼休みでもやれるからそしたらやりたいな。
カナン:そうしたら、ランチタイム・ウォーキングで練習した歩き方、できますよね。
杉本さん:そうそうそうそう。
カナン:今、カナンウォークがこうして企業さまへお伺いしているのは、もともとわたしが医療ソーシャルワーカーといって、病院で相談を受ける仕事をしていたときの経験がきっかけなんです。
当時、どういう方の相談をうけていいたかというと、脳梗塞や糖尿病、心筋梗塞などの生活習慣病の方です。奇跡的に元気に回復された方はいいのですが、やはり元気に戻れない方が圧倒的に多いんです。特に脳梗塞でマヒが残ってしまうと、その後どうしようかな、ということになるので、ご相談にいらっしゃるんですね。
― 健康を失って元に戻れない方をたくさん見てきた、だから伝えたい
カナン:元の生活に戻れないということは、お仕事も前と同じようにできない。そうなると、例えば配置換えに
なってお給料が変わったり、いろんな支障が出てくるんです。ご家族がいらっしゃればご自身だけでなく、家族
丸ごと生活に困窮する、ということも…。
そんな中で、例えば麻痺が残って身体が思うように動かなくなってしまってからでは元に戻れない可能性がすご
く高いので、そうなる前のところで何かできないかな、ということを考えた時に「歩くことをお伝えするのは役
に立つかも」と思い、一般の方に向けてレッスンなどの活動を始めました。
ただ、悩ましいのは、そういう場に来てくださる方は、元々意欲がある方なんです。健康に対して。
浅井さん:そういう場に来てくれる人は、ね。
カナン:だけど、わたしが本当にお伝えしたい方というのは、なかなかその一歩が出ないということがあるので、
じゃあどうやってお届しようかな、というところで、企業様に伺うという形でお届けしているような現状です。
企業様でも、一歩が出ない方たちに理由をお伺いすると、「忙しくてなかなか時間がない」「仕事も遅くまであっ
て帰るのも遅い」「何かする時間もないし、疲れちゃってる」とお話される方、本当に大勢いらっしゃいます。
あとは「何をしたらいいかわからない」というお声も、すごく多いんですね。実はこれ、厚生労働省の調査でも同じ
ようなことが統計結果で出ているんです。
浅井さん:実際そうだと思います。
カナン:なので、企業でこうやってお話やレッスンをさせて頂いて、従業員さんに参加してもらうことで、最初の一歩
が出しにくいと思っている方のハードルを下げるきっかけになれている、というのは、参加された方のお話を伺って
も実感としてあります。何かをしようという時の、わざわざお金を出して時間を作ってどこかに行くということをしな
くても、「社内にいる間にできる」「帰る前にできる」「お昼休みの時間中にできる」というのは、とても手軽だと。
わざわざ、というハードルがまず前提としてない。
もしくは何か探さなくても、「社内で何かやってるなら、行ってみようかな」とか、そういう一歩を踏み出すハードル
を下げられるかな、ということで実施させていただいています。
そういう意味では、お二人は参加しやすいとか、そういう一歩になるなという感覚はありましたか?
杉本さん:ありました。またこのような機会があったら参加したいと思いますね。
伊藤さん:わたしもです。
カナン:ありがとうございます。最後に、まだ参加していない方や、これから参加する方にメッセージをお願いします。
伊藤さん:年齢関係なく、若い時から自分の身体を意識して、自分の身体は自分で守ってください。
杉本さん:参加されていない人はわからないと思うんですが、やった後は『スカーっ』としてリフレッシュになるので、
とにかくみなさん出てみたほうがよいですよ、ということです。
カナン:まず最初の一歩をぜひ出してみようというところですね。ありがとうございました。